今日の歌 2

朝霧のおほに相見し人ゆえに
        命死ぬべく恋ひ渡るかも

 

今日は万葉集からです。

 

この歌は笠女郎が大伴家持に贈った恋歌です。

 

場面としては、笠女郎か家持と共に過ごしたかつての逢瀬を思い出しながら詠んだ歌ですね。

 

軽い解説は、「相見し」は一夜を明かしたことを表しています。

 

ちなみに「おほ」は、漢字に当てると「欝」です。

 

いついかなる時も、人の恋はよく分からないものですよね。

 

ここまでの執着心を持った笠女郎の恋の行方が気になります。

 

小話ですが、笠女郎の歌は家持に対する恋の恨みの歌が、そりゃもう多いです。笑

 

二人の関係からすると、笠女郎の身分と家持身分は釣り合わないし、色々問題を抱えてるんですね。

 

身分差の結婚はちょっとタイムリーな話題なのかな?笑

 

もう2つ笠女郎の歌を挙げると、

 

「衣手を打廻の里にある吾を知らにぞ人は待てど来ずける」

 

とか

 

「あらたまの年のへぬれば今しはといめよ吾が背子名をのらすな」

 

とかですね。

 

ここまで愛を表現出来る歌を詠める、笠女郎にアッパレ!